美容師に白髪染めについて聞く!市販と美容室の違いって?

白髪に限ってすぐ伸びるし、目立つ!もう市販で染めようかなぁ……。たぶん美容室でやるのとそんなに変わんないよなぁ……。
市販と美容室の白髪染めの違いは?
はぁ~……。
おや、うすいさん。ため息なんかついて、どうしたんじゃ?
あ、髪さま。実は白髪のことで悩んでいて……。
なるほどのう。わしでよければ話を聞くぞい。
おお、髪よ……。実は市販の白髪染めを使おうかと思っていて……。
ふむふむ、なぜそう思ったんじゃ?
白髪に限ってすぐに伸びるし目立つし、美容室での白髪染めも市販の白髪染めもそんなに変わらないのかなと思って……。
なるほどのう。ちなみに、うすいさんは市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いは知っておるかの?
え、同じようなものじゃないんですか……?
ふぉっふぉっふぉ、やはりそう思っている人が多いじゃろうのう。では、まずは市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いについて説明していこうかの。
技術力
市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いとして最初に挙げられるのが技術力じゃ。これについては言わずもがなかのう?美容師さんはウィッグでの練習から始まって、それこそ何百回とトレーニングを重ね、毎日のようにいろいろなお客様に施術をおこなっているんじゃ。手際の良さはもちろん、ムラのなさや仕上がりのクオリティに関しては圧倒的なんじゃよ。
言われてみると確かに……。
生え際や顔まわりなどの前のほうであれば、市販の白髪染めを買ってきて自分でもどうにかできるじゃろう。じゃが、後頭部に関しては思っている以上に難しいんじゃ。
ふむふむ。
それに薬剤を狙ったところ以外の部分に付けないようにするのも難しいんじゃよ。これは自分ではほぼ不可能と言っていいじゃろうのう。美容室で美容師さんに任せてしまえば、新しく生えてきた根元だけに薬剤を塗ってもらうリタッチカラーも可能になるんじゃ。その分、余計なダメージも回避できるんじゃよ。
改めて考えると、美容師さんってすごいんですね……。
その通り!染めたいところを染めるというというのはシンプルでありながら、もっとも重要なことと言っていいじゃろう。自分では難しいものの、プロフェッショナルである美容師さんであればそれがパーフェクトにできるんじゃ。それに髪へのダメージも見逃せないのう。
髪へのダメージ?
市販の白髪染めに限ったことではないんじゃが、基本的にヘアカラーというのはキューティクルを開くためにどうしても髪へのダメージが出てくるんじゃ。それを何度も繰り返せば、そのダメージはどんどん蓄積されていく。しかも、白髪染めは通常のヘアカラーよりも強い薬剤なんじゃ。
そうなんですね……知らなかった。
美容室であればきちんと髪の状態を見ながらダメージの少ない方法をすすめてくれるじゃろうし、ダメージを最小限に抑えながら綺麗に見える施術をしてくれるんじゃ。今ある白髪を染めることも大切かもしれんが、白髪染めをした後のことも考えないといかんのじゃよ。
薬剤成分
市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いとしては、薬剤の成分も挙げられるぞい。
薬剤の成分も違うんですか……。
さよう。もともとカラー剤は5種類あるんじゃが、その中でしっかりと白髪を染めることを考えるとヘアカラー(酸化染毛剤)か、ヘアマニキュア(酸性染毛料)のどちらかになってくる。ヘアカラーに関しては、内容成分のひとつであるアルカリ剤に違いがあるんじゃ。
どんな違いですか?
もともとアルカリ剤は、染料を髪の内部に浸透させるためにキューティクルを開く役割を持っておるんじゃ。言ってしまえば、強引にキューティクルを開くわけじゃな。市販のヘアカラーになってくると、基本的にどんな髪質でも染められるようにアルカリ剤をはじめとしたダメージにつながりやすいものが多く含まれておるんじゃ。
なるほど、そうなると髪へのダメージも違ってきますよね。
その通りじゃ!一方で、ヘアマニキュアに関しては、大きな違いはないと考えてよかろう。
ダメージの違いもないんですか?
さよう。ヘアマニキュアはもともとダメージの少ない酸性のものなんじゃ。市販のものでも美容室のものでも大きな違いはないと考えていいじゃろう。
それなら市販のヘアマニキュアを使っていけばいいんじゃ……?
そう思うじゃろう?じゃが、ヘアマニキュアは皮膚に付着すると専用のリムーバーなどを使わないと取れないんじゃ。つまり、ヘアマニキュアを使う際には頭皮はもちろん、顔まわりや首などにつかないようにしなければいけないんじゃ。市販のヘアマニキュアを使って自分で白髪染めをするのは、思っている以上に難しいことじゃし、リスクが大きいんじゃよ。
なるほど……。
判断力
そして、市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いとして最後に挙げられるのが判断力じゃ!
判断力?
白髪染めにおいてお客様の望み通りの仕上がりにするのは、簡単そうに見えるかもしれん。じゃが、実際にはかなり難しいことなんじゃ。同じ薬剤を使ったとしても、もともとの髪色によって出る色は違うし、髪質によっても変わってくるんじゃ。それに同じ人の髪でも、場所によって状態がまったく違うということもあるからの。こういう違いを考慮せずに同じ薬剤を使うと、それがムラとなって出てくるんじゃ。
奥が深いんですね。
美容室ではこういった状態を毛髪診断で見極めた上で、部分によって薬剤を使い分けたり、調合を変えたりするんじゃよ。言うまでもなく、市販の白髪染めではできないことじゃな。この判断力というのは、もっとも重要な部分といえるかもしれんのう。
まとめ
市販の白髪染めと美容室での白髪染めの違いはわかったんですが、結局どっちがいいんでしょうか?
それぞれのいいところがあるからのう。一概にどちらがいいとは言い切れないんじゃ。大切なのは、自分に合った方法を選択することじゃな。